ビッグマネーは2002年に放映されていた、長瀬達也演じるプータローの青年が怪しい老人に誘われて相場の世界に入り込むドラマです。
もしかして、観た事ありますか?
この時、私は中学生で、株なんて買う事ないだろうなと思っていましたが、それでもこのドラマには引き込まれるものがありました。
そして、その10年後に実際株式を購入するなんて夢にも思っていなかったです。
このドラマに感化された人は多く、レオスキャピタルでファンドマネジャーをしていた片山晃(五月)さんや、個人投資家のcisさんも、このドラマを見たのが、株式投資を始めたきっかけだったそうです。
どんなドラマだったのか、少し紹介したいと思います。
名だたるキャスト
長瀬君や、謎の老人役の植木等さんもさる事ながら、ヤクザ役の小日向さんもハマり役でしたね。
あと、個人的にまつば銀行員を演じた原田泰造の演技は迫力がありました。
この時は、芸人である事も知らず、完全に俳優だと思っていました。
今でも俳優のイメージが強いですねぇ。
記憶に残る話
たい焼きの頭と尻尾はくれてやれ
長瀬くんが老人のいない間、老人の株の売り時を探る話です。
大きな紙に株価を書いて、チャートを作るところに興奮しました。
長瀬くんの売り注文は、合格、でしたね。
インサイダー取引!
理由は忘れましたが、どこぞの夫人から、主人の会社が合併するというインサイダー情報を教えてもらう話です。
老人から大金を渡された長瀬くんは、合併が発表される午後2時に証券会社まで来たのに、結局注文しなかったんですよね。
デイトレードをする小学生
デイトレードで大儲けする小学生と出会う回です。
デイトレがうまくいかない長瀬くんに対して、少年は大金を得ていく訳です。
親にバレるんだけど、止めさせるどころか儲かっているのを知って、むしろ貯金を渡される始末。
最後は、一緒にバスケをする友達が出来て、デイトレを止めるって話。
ビッグマネーの中で一番、ほっとした回だったと思います。
まつば銀行の取付騒ぎ
最後の取り付け騒ぎを起こして、暴落を引き起こす話は圧巻でした。
当時は、全然よく分からないんだけど、銀行中に押し込んで内部を盗撮するところとか、もう興奮しました。
ビッグマネーの原作を知っていますか?
ビッグマネーの原作は、石田衣良の波の上の魔術師です。
笑いの要素がドラマに比べて、原作はとてもシリアスで、ヒリヒリとしたやり取りが続きます。
確かドラマでは、フラフラしていた長瀬くんが何となく老人に誘われるという展開でした。
しかし、原作の青年は生活費ギリギリを稼ぐしょぼいパチプロです。
回転待ちをする青年は成績を付けた手帳を見ていて、老人はその細かさを見て誘ったのです。
誘った理由を問われた老人は、次のようなセリフを言います。
それにきみはパチンコ店のまえに並んだ人々のなかで孤立していた。ロシアの小説家がこんなことを言っている。『ほんとうに貧しい人というのは、みんなといっしょに貧しい人間のことだ。ひとりきり孤独に貧しいものは、まだ金をつくっていない金もちにすぎない』。大勢のやじ馬のなかにぽつりと浮かんで、きみはまさにそんなふうに見えた
どうです。
これが波の上の魔術師の世界です。
雇われた青年は、老人にマーケットの世界引き摺り込まれ、そして、最後はドラマと同じくまつば銀行への復讐劇が始まります。
マーケットの波間を垣間見たい人は、どうぞ。