最近、米国国債金利の逆イールドが発生して話題になっていますね。
ところでこの逆イールドがどのようなものかご存知ですか?
逆イールドとは何か、金利がどのように決まるかを説明できる、知的人間になってはどうでしょう。
そもそも逆イールドとはどんな状態?
逆イールドとは、過度な金融不安、急激な政策変動により短期金利が急騰し、長期金利を大きく上回った状態のことです。債券市場において、一般に残存期間が長くなるほど投資資金の固定化によるリスクなどを伴うため、長期金利は短期金利よりも高くなります。しかし、様々な要因が生じて遠い将来より近い将来のほうがリスクが高くなると市場が予測した時には、長期と短期の金利が逆転します。
出典:逆イールド(ぎゃくいーるど) | 証券用語集 | 東海東京証券株式会社
通常、国際金利は長期の方が高く、短期の方が低くなります。
これが反対になっているのが、逆イールド状態です。
銀行預金で考えても、普通預金の金利よりも定期預金の金利の方が高いですよね。
逆イールドとは、普通預金金利の方が高いという異常状態を指し示します。
現在の米国国債金利
現在の米国国際金利は以下の通りです。
ところどころで金利が逆転しています。
2019年3月29日時点
3ヶ月:2.41%
6ヶ月:2.43%
12ヶ月:2.38%
2年:2.25%
5年:2.22%
10年:2.40%
30年:2.82%
出典:米国債・金利 – Bloomberg
国債金利が変動する仕組み
さて、では国債金利はどのように決まっているのでしょうか。
意外とこの問いに答えられない人は多いんじゃないでしょうか。
答えは国債の売買価格です。
国債から支払われる利息は、発行した時点で確定しています。
利息自体は一定なのですが、その国債がいくらで売買されるかは需給で決まります。
例えば、年利息が10ドルの国債があったとします。
この国債を1000ドルで買えば金利は1%です。
しかし、500ドルで買えたら金利は2%となります。
もし100ドルで購入できたら金利は、なんと10%となります。
このように金利は購入価格によって変動してしまいます。
国債はマーケットで売買されているため、売買価格によって金利が決まるという訳なのです。
長期金利の低下から推測できる事
ここまでは一般論で、ここからは私の持論になります。
長期金利が下がっているという事は、長期の国債が買われている事を意味します。
国債の金利は変動しますが、一度購入してしまえば、その金利で固定されます。
バブルの頃作った定期預金が、高金利のままになるのと同じ理屈です。
マーケットで長期国債を買う人は今後金利が下がっていくのを想定しているのではないでしょうか。
景気が悪化すれば、大抵の場合、景気対策として金利を下げます。
つまり、どこかの誰かさんが今後景気が悪化すると予想している。
そんな裏があるのだろうと、私は考えています。
まとめ
- 逆イールドとは長期金利よりも短期金利の方が高い状態
- 国債金利は売買価格で決まる
- 長期国債を買う人は金利低下を予想している