工業簿記の賃金って、増えたり減ったりするのか???
賃金は費用ですが、貸方に来たり、借方に来たりします。
貸方に費用が来るケースってあまり無いですよね
賃金は費用ですが、増やす仕訳と減らす仕訳の両方を書きます。
費用ではあるものの、材料と同じように資産と解釈した方が分かりやすいのではないかと思っています。
引っかかると理解しにくい賃金について、深掘りするので読んでみて下さい。
賃金が資産に近い2つの理由
賃金が資産のように見える理由は次の2つです。
- 最終的に製造原価に変わる
- 一時的にマイナス(貸方)になる事がある
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
最終的に製造原価に変わる
賃金勘定は現金などで給料を払った時に使います。
この時の仕訳は次のようになります。
賃金200,000 / 現金200,000
そして、この賃金はどこかで製造原価(仕掛品or製造間接費)に置き換えられます。
この時の仕訳は次のようになります。
仕掛品200,000 / 賃金200,000
つまり、費用であるはずの賃金が消え去り、その代わりに製造原価が現れるのです。
この仕訳を見ると、賃金という資産を取り崩して仕掛品を作っているように感じます。
その証拠に、この仕訳は賃金を資産である材料に置き換えても成立します。
仕掛品200,000 / 材料200,000
一時的に賃金勘定がマイナスになる事がある
賃金の仕訳でつまづき易いポイントに、未払賃金があります。
工場の締め日は月末ですが、給料の締め日は15日や25日なので、毎月未払賃金を計上しておく必要があるのです。
月末には、未払賃金を次のように仕訳します。
賃金100,000 / 未払賃金100,000
ここまでは違和感は無いのですが、翌月の初めには、この逆の仕訳をします。
未払賃金100,000 / 賃金100,000
商業簿記での洗替えと同じような仕訳です。
そして、給料日が訪れると次のような仕訳を切ります。
賃金200,000 / 現金200,000
これで先月の未払い分を支払い、今月の給料締め日までの賃金を支払う訳です。
とはいえ、月初めの時点では
未払賃金100,000 / 賃金100,000
の仕訳をしているので、費用であるはずの賃金がマイナス(貸方にある)になります。
一時的とはいえ費用がマイナスとなるため、賃金って本当に費用なのか?
という違和感がある訳です。
これが賃金が資産もしくは負債っぽい勘定項目だと感じるもう1つの理由です。
まとめ
- 賃金は最終的に製造原価に変わる
- 賃金の仕訳は材料に置き換えても成立する
- 一時的にマイナス(貸方)となる事がある
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