今回は外貨預金をしている人、これからしようとしている人に向けた記事になります。
参考文献
今回の記事は下記の本を参考にしています。
ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016
- 作者: 安間伸
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/10/30
- メディア: Kindle版
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外貨預金は税務的に最悪
この本の中では、外貨預金は税務的に最悪な商品であるから辞めるべき、と何度も書かれています。
外貨預金が最悪である理由は、金利収入と為替差益の両方が税務上不利な所得となるためです。
利子所得は損益通算できない
金利収入は利子所得に属し、源泉分離課税のため、他の所得と損益通算ができません。
雑所得は総合課税かつ累進課税
為替差益は雑所得に属します。
雑所得は雑所得としか損益通算ができず、しかも、総合課税となるため、給与収入などと合計されて累進課税で税率が上がります。
まとめると以下のようになります。
- 金利収入:利子所得として源泉分離課税
- 為替差益:雑所得
このように、得られる所得のどちらも税務上不利であるため、外貨預金は最悪な訳です。
私のやっていたまずい運用
私は外貨建てETFに投資をしていました。
そして、少しでも取得単価を上げるため、円高になったタイミングでドルを購入し、外貨建てETFの価格が下がったタイミングで購入していました。
最近は利上げの影響もあってドル預金の金利が高いため、預金金利で少し寝かしてから投資するとちょうど良かったのです。
しかし、ドルを購入してから外貨建てETFを買うまでに期間が空くのは、税務上は不利になります。(※)
ドル高に振れたら為替差益で雑所得になりますし、ドル安に振れたら、雑所得としか損益通算できない損失になります。
運用対象である外貨建てETFと損益通算できないのが痛いです。
また、金利収入についても、利子所得のため損益通算できません。
(※)為替差益の発生タイミング
ちなみに、為替差益は円転しなくても、保有しているドルを別のドル建て資産に替えたタイミングで発生するので注意しましょう。
参考:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/43.htm
総合課税を避けるテクニック
外貨預金の代わりに外貨MMFを使う方法があります。
MMFは短期債券などを組み合わせた、資産保全性の高い商品で、預金と良く似ています。
しかし、預金と違って外貨MMFは利回りと為替差益の両方が譲渡所得となるため、損益通算可能な申告分離課税となります。
外貨預金との違いは以下のようになります。
外貨預金
- 金利収入:利子所得として源泉分離課税
- 為替差益:雑所得
外貨MMF
- 金利収入:譲渡所得として申告分離課税
- 為替差益:譲渡所得として申告分離課税
この事実を知ってから、私は外貨を購入したら、すぐに外貨MMFに替える事にしています。
そして、買い時だと思ったら、外貨MMFを解約して外貨建てETFを購入しています。
また、受け取った配当金についても為替差益が発生する可能性があるため、これも外貨MMFに替えます。
最後に
外貨預金が資産運用上いかに不利か、ご理解いただけたでしょうか?
現在、外貨預金をしている人は外貨MMFに変更する事をオススメします。
また、外貨建てMMFを購入するなら、取り扱いファンドの多いSBI証券がオススメです。
取り扱い外貨建てMMF(米ドル)
- ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド
- ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド
- ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト
- ゴールドマン・サックス
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