この記事を見てくれたということは、グロース投資に興味があるかと思います。
グロース投資をする際には、業績の成長率から今後の成長率を予想するかと思います。
しかし、それはあくまで過去の成長率であって、今後も同じような成長を続けるかは分かりません。
「今後も同じような成長を続けるのか?」
これはグロース投資をする人が常に悩むポイントでしょう。
今後も安定成長するのかどうか、その判断には社長を知るのが有効です。
手腕のある社長であれば、逆風の吹き荒れる局面であっても臨機応変に対応して乗り越えてみせます。
コロナ禍の状況においても、見事な対応によってかえって業績を伸ばした企業があります。この躍進は社長の臨機応変な判断が功を奏しているためです。
では、社長を知るためにはどうすれば良いのか、そのポイントを紹介したいと思います。
社長メッセージで想いを確認
まずは企業HPで社長メッセージを確認します。大抵の企業がIRページや企業情報ページに社長メッセージを載せています。
このメッセージの中で、「~を実現するんだ」という想いを語っているかを確認します。
想いを語っている社長ならば大丈夫です。逆風吹き荒れる中でも、想いを実現させようとあらゆる手を尽くします。
想いが大事な理由
基本的に上場企業の社長はお金持ちです。
リタイヤしたとしても遊んでくらせる人が大半でしょう。
つまり、お金を稼ぐことは社長にとってモチベーションにはならないのです。
だから、お金以外の面でモチベーションを持っていることが重要なのです。
「~を実現したい」という想いを持っていれば、たとえ状況が悪くなったとしてもあの手この手を使って事業を進めようとします。
そうした強い想いを持っているかどうかを知るために、社長メッセージを確認するのです。
社長メッセージの具体例
社長メッセージで想いがある例とない例を1つずつ紹介します。
想いがあるケース
「医療を止めない」を使命とし、医療の明日を拓きます
https://www.medius.co.jp/company/topmessage/
当社グループは、PPE(個人防護具)からダヴィンチのような大型機器まで医療機器・材料の供給を通じて、医療機関様や福祉事業者様の課題解決をお手伝いするため事業規模を拡大してまいりました。各地の事業会社が手を携えることで、大規模投資を可能にする安定した経営基盤を築き、地域の医療現場を支えております。
2020年3月以降のCOVID-19感染拡大により、医療は経験したことのない危機に見舞われております。医療現場の皆様の負担が増大する中、2025年問題を見据えた医療の質的向上と経営効率化が求められており、医療機関様の経営課題は山積する一方です。このような難局を打破するため、当社グループは調達力の強化、安定供給の維持と医療機関様の経営支援に全力を挙げております。高品質・低価格を追求したPB商品「アソース セレクト」や、業界屈指の医療材料データベースを活用した業務効率化に寄与する提案もその一つです。さらに中長期的な取り組みとして海外調達網の拡充とBCP(事業継続計画)の強化を図り、安心、安全、安定的な医療機器・材料の供給体制を確固たるものとしていく所存です。
いかなる時も医療を止めないことは当社グループの使命です。明日のより良い医療環境のため、今後もグループ一丸となってスケールメリットを発揮し、地域に貢献してまいります。
こちらはメディアスホールディングスという医療機器販売を行う企業の社長メッセージです。
「医療を止めない」のだという意思がはっきりと伝わってきます。
想いがないケース
2020 年10 月1 日、ヤマダ電機グループはヤマダホールディングスおよびグループ会社で構成される持株会社体制に移行しました。当社は群馬県前橋市で“町の電気屋”として創業し、それから47年をかけて混売店、量販店、そして国内家電量販店で初の全都道府県進出を果たしました。家電販売業界は戦後に生まれた新しい業界ですが、今や生活インフラとして社会に欠かせない存在となりました。一方でその間、私自身は家電量販店としてのサービスのあり方、事業体としての理想形について幾度も考察と試行錯誤を重ねる中で、家電を中核に住宅、環境資源開発、金融、サービスと大きく5つのセグメントに分かれ、「暮らしまるごと」を標榜する現在の事業体にたどり着きました。
https://www.yamada-holdings.jp/company/corp001.html
このたび私たちがホールディングス化を企図した背景には、5つのセグメントのより主体的な事業活動を促すとともに、経営の管理・監督と業務の執行を分離することでグループ全体の経営効率・ガバナンスを高め、さらなる企業価値向上を実現したいという思いがあります。加えて昨今、社会課題の解決に向けて企業が果たすべき役割の重要度がますます高まっている中、私たちが持続可能な社会づくりへの貢献を果たしていくためには、グループガバナンスの一層の強化が必要です。「暮らしまるごと」戦略をこれまで以上に迅速に進めていくためにも、ホールディングス化は必要な変化であると考えています。
これからもヤマダホールディングスは、経営理念「創造と挑戦」「感謝と信頼」のもと、企業としてのたゆまぬ成長と発展を目指して歩む中で、持続可能な社会づくりに力を注いでまいります。
こちらはヤマダ電機の社長メッセージです。
ホールディングス化した理由を書いていますが、それでどんな嬉しさを提供したいのかが分かりません。
社長自身が達成したいことが明瞭でないので、投資するにはためらう内容です。
また、一般的に過去の業績や数値目標が書かれている場合は投資を避けた方が無難です。
数値目標は想いを実現するための指標であって、それ自体が目標ではないからです。
グロース投資をするなら必読の名著
グロース投資をするのならば、マゼランファンドを率いたピーターリンチの著作を読むのをオススメします。グロース投資の基本が知りたいという方はお買い求めください。
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