200%定率法ってなに?初めて聞いたんだけど
200%定率法は減価償却費の計算方法で、償却率を自分で計算する必要があります。
といっても償却率の計算方法はとっても簡単です
耐用年数が5年の場合だと、償却率は次のようになります。
償却率=1÷5年×200%=0.4
あとは、普通の定率法と同じように計算すればOK
簿記2級でも時々出題されるので覚えておきましょう。
さて、ここまで覚えておけば計算するのは簡単です。
しかし、なぜ200%なのかという疑問は残りませんでしたか?
ちなみに、税制改正前は200%でなく、250%定率法でした。
今回は、200%である理由と改定償却率について深掘りしたいと思います。
定率法で残存価額が出てこない理由について知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
なぜ100%定率法ではダメなのか
税制改正前は250%定率法だったとお話ししました。
現在は200%定率法となっていますが、これが100%定率法ではダメなのでしょうか?
100%定率法と比較してみれば、200%である理由が見えてきます。
具体的な例で計算をしてみて比較してみましょう。
100%定率法の場合
減価償却の条件は、備品100,000円、耐用年数5年とします。
100%定率法なので、償却率は次のようになります。
償却率=1÷5×100%=0.2
では、この条件で計算した場合の現在価値(備品-減価償却累計額)の推移を見てみましょう。
減価償却費 | 現在価値 | |
---|---|---|
1年目 | 20,000 | 80,000 |
2年目 | 16,000 | 64,000 |
3年目 | 12,800 | 51,200 |
4年目 | 10,240 | 40,960 |
5年目 | 8,192 | 32,768 |
5年経過後でも現在価値は3.2万ほど残っています。
耐用年数に到達しても価値の3割以上が残っており、100%定率法では償却スピードが遅過ぎる事が分かります。
100%では遅過ぎてダメです
200%定率法の場合
では200%定率法で減価償却した場合の、減価償却費と現在価値の推移を見てみましょう。
減価償却費 | 現在価値 | |
---|---|---|
1年目 | 40,000 | 60,000 |
2年目 | 24,000 | 36,000 |
3年目 | 14,400 | 21,600 |
4年目 | 8,640 | 12,960 |
5年目 | 5,184 | 7,776 |
5年目の現在価値は約8千となりました。
価値は当初の8%まで減価しており、ゼロでは無いものの、それなりの減価償却ができています。
これで、200%定率法ならばまずまずのスピードで償却が進む事が分かりました。
気になる人は、自分でも計算してみてください。
残存価値を0円にするためには償却率の改定が必要
200%定率法でも5年後の現在価値(残存価値)はゼロとはなりませんでした。
これをゼロとするには途中で償却率の改定を行う必要があります。
償却率の改定を行う場合について説明します。
計算条件:保証率0.108、改定償却率0.5
まず、備品価格100,000円に保証率を掛け合わせ、償却保証額を算出します。
償却保証額=100,000×0.108=10,800
そして、減価償却費が償却保証額を下回った場合に、償却率を改定償却率に変更をしてあげます。
減価償却費 | 現在価値 | |
---|---|---|
1年目 | 40,000 | 60,000 |
2年目 | 24,000 | 36,000 |
3年目 | 14,400 | 21,600 |
4年目 | 10,800 | 10,800 |
5年目 | 10,800 | 0 |
4年目で償却保証額以下となるため、改定償却率に変更しています。
21,600×改定償却率0.5=10,800
そして、償却率を改定した場合はその後も同じ値で減価償却を行います。
上の表に記載したように、ちょうど5年目で現在価値(残存価値)がゼロとなっています。
この改定償却率も簿記試験に出る可能性もあるので覚えておきましょう。
まとめ
- 200%定率法は償却率を計算すれば解ける
- 200%の理由は償却スピードを速くするため
- 残存価値をゼロにするなら償却率を改定する
きちんと理解しながら学習するなら、資格スクールに通うのをオススメします。
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