AI insideが連続ストップ安で大暴落しました
理由はNTT西日本の大規模解約なのですが、なぜ大規模解約に至ったのか分からない人もいるのではないでしょうか?
AI insideがIR情報を開示しているものの、軽く読んだだけではどんな契約を結んでいたか理解するのは難しいと思います。
なぜAI insideが暴落したのか分からない、解約に繋がった理由を知ってみたい、こんな人に向けて暴落の裏側を紹介したいと思います。
NTT西日本と結んだパートナー契約とは?
NTT西日本は販売代理店
AI insideはNTT西日本とパートナー契約を結んでいました。
この契約により、AI insideはNTT西日本に対してライセンスを許諾し、NTT西日本はこのライセンスをユーザーに対して再許諾する権限があります。
AI insideが直接ユーザーに営業活動をするのではなくて、その間にNTT西日本が入って営業活動をしていました。
NTT西日本が販売代理店の役割を担っていた訳です
AI insideは営業活動以外に集中するために、一部の営業活動をNTT西日本へとアウトソーシングしていた形となります。
ユーザーが解約してもライセンス料が入る
NTT西日本がユーザに対して提供する「おまかせ AI OCR」の件数にかかわらず、当社がNTT西日本に対して許諾したライセンスの件数に応じてNTT西日本よりライセンス料の支払いを受けており、会計上は、当社が NTT 西日本に対して許諾した DX Suite のライセンス数に応じたライセンス料について収益を認識しております。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS82001/65135827/231f/4b89/b5e8/8b0bee8f69f2/140120210428402652.pdf
今回の大規模に至った原因の1つとして、ユーザーの解約状況が把握できなかったというものがあります。
AI insideがNTT西日本へと許諾していたライセンスは最低契約期間が1年間で、たとえNTT西日本が再許諾したユーザーが解約したとしてもしばらくライセンス料が入ります。
この1年間のタイムラグが切れたために、今回の大規模解約(不更新見込)が発生したのです
NTT西日本はAI-OCRの需要の薄い層も無料キャンペーンでごっそり契約していたと思うのです。
http://yamahiman.livedoor.blog/archives/9821653.html
それが1年で増えて1年で剥がれただけという。
また、解約の理由としては、無料キャンペーンでユーザーを獲得したものの継続利用には繋げられなかったようです。
解約見込みは全体の82%
またNTT西日本からの通知記載の2021年5月から6月のライセンス不更新見込件数7,636件は現在見込であり、今後増加する可能性があることにも鑑みて、2021年3月末日時点においてNTT西日本が当社より許諾を受けているライセンス9,284件のすべてが今後更新されないものと仮定した場合、2021年3月期に当社がNTT西日本に対するDXSuiteLiteプランの利用料として計上見込のリカーリング売上2,137百万円(注2)のうち、1,763百万円(注2)が2022年3月期には減少することとなります。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS82001/65135827/231f/4b89/b5e8/8b0bee8f69f2/140120210428402652.pdf
NTT西日本の解約予定は7,636件で、ライセンス数は全9,284件のため解約予定は82%です。
NTT西日本のライセンスの売上は1,763百万円のため、82%の解約だと1,446百万円の売上減となります。
2021年3月期の業績予想では売上高4,471百万円なので、売上高の32%に当たる大きな金額です。
(解約となるのは来期のため、今期予想には影響しません)
大暴落したのは割高だったから
大規模解約により来期売上に影響が出ることは間違いありませんが、-50%もの大暴落となったのは株価の高さも理由の1つです。
AI insideのPERは100倍を超えていました。
業績予想が+181%と高いため許容できるPERでしたが、成長率が鈍化すれば一気に許容されるPERが低くなり、株価は低くなります。
このあたりのカラクリを知るためには、株式のフェアバリューとはどのようなものか知る必要があります。