シュラッター図を使う問題、よく間違えちゃう
なんでだろね。シュラッター図は覚えたけど、練習問題を解こうとすると間違える
これ↑かつての私です
シュラッター図の形はシンプルなので、覚えるのは簡単です。
しかし、間接費差異の問題文には色々な数値が書かれているので、必要な数値を抜き出して計算するのは意外と難しかったりします。
そこで、シュラッター図を用いる問題の典型的な解き方を整理しました。
解き方の手順を理解していれば、迷うことなく問題文から必要な数値を抜き出せます。
間接費差異を求める問題はワンパターンなので、解き方の手順さえ整理しておけば簡単に解く事ができます。
それでは、シュラッター図を用いて間接費差異を求める4ステップについて学びましょう。
①シュラッター図を描く
まずは、上のシュラッター図を描きましょう。
操業度(時間)は、ひじきで覚えておきましょう。
- ひ:標準操業度
- じ:実際操業度
- き:基準操業度
斜めの線は、時間あたりの変動費率と固定費率を決めています。
変動費率と固定費率は共に基準操業度を元に決まるため、斜めの線の終端は基準操業度(き)です。
②標準操業度を求める
実際操業度と基準操業度は問題文に書かれるのですが、標準操業度は書かれてない時があります。
その場合、生産データが与えられているので、下の表を書いて今月の投入量を調べましょう。
加工進捗度が与えられている場合は、これも考慮した数字にして下さい。
(大抵の問題では、製造間接費は直接労務費の時間に比例すると書いてある)
今月の投入量が分かれば、あとは標準原価カードに書かれている間接費の時間を掛け合わせれば完了です。
標準操業度=投入量×標準原価カードの間接費の時間
③固定費率と変動費率を求める
次にシュラッター図の下側の傾き「固定費率」を求めます。
固定費率は固定費予算と基準操業度を用いて計算します。
固定費予算が1年間あたりの場合は、12で割って月あたりにしましょう。
固定費率=固定費予算÷基準操業度
固定費予算が400万円、基準操業度が2,500円だとすると固定費率は@1,600円となります。
4,000,000円÷2,500時間=@1,600円
変動費率については引き算で求めます。
標準原価カードに書かれている、製造間接費の標準配布率から固定費率を引きます。
変動費率=標準配布率−固定費率
標準配布率が@2,300円の場合、変動費率は@700円となります。
@2,300円−@1,600円=@700円
④各種差異を計算
ここまで準備が出来たら、後は各種差異を計算するだけです。
能率差異・操業度差異を計算
この2つの差異を計算する時、次の事を覚えておいて下さい。
計算式に操業度の引き算があるのですが、シュラッター図に書かれた操業度の左から右を引く事です。
具体的には、次の2つです。
- 標準操業度(ひ)−実際操業度(じ)
- 実際操業度(じ)−基準操業度(き)
そして、能率差異と操業度差異の計算式は次のようになります。
能率差異(固定)=固定費率×(標準操業度−実際操業度)
能率差異(変動)=変動費率×(標準操業度−実際操業度)
操業度差異=固定費率×(実際操業度−基準操業度)
この計算値がマイナスの場合は不利差異、プラスの場合は有利差異となります。
予算差異を計算
予算差異は上の図のように、基準固定費を使います。
問題文の値を見てもいいですし、固定費率×基準操業度で計算してもOKです。
そして、予算差異は次の式で計算できます。
予算差異=基準固定費−変動費率×実際時間−実際製造間接費
これもまた、マイナスならば不利差異、プラスならば有利差異となります。
まとめ
- 間接費差異は問題文から必要な数値を選ぶのが難しい
- 4つのステップに分けて解き方を覚えればミスが減らせる
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