「やりがいのある仕事」という幻想
久々に本屋さんに行って、本を衝動買いしました。
スカイクロラやすべてがFになる、の著者の森博嗣さんのエッセイです。
森博嗣さんはなかなか変わった考え方の持ち主です。
元々、国立大学の研究者で、1日16時間を研究に費やすハードワーカーでした。
助手から教授まで昇進しているのですが、趣味のための土地やお金が欲しい、という理由で小説を書き始めます。
本人曰く、それがたまたま当たって、結果的に教授の職を辞めて、今は小説家もほぼ引退しています。
小説を読んでも端々から分かるのですが、なかなか変わった仕事観を持っています。
自分用のメモも兼ねて、興味深かった箇所を抜粋しようと思います。
人は働くために生まれてきたのではない
- 「お父さんは、こんなに大変なことをしているのだよ」と子供に言いたがる。実に情けないことだ、と僕は感じる。
- このように非公開と捏造の情報で育った子供たちが、やがて就職をすることになるわけだが、おそらく、仕事というものに、最初から怯えているといっても良いだろう。
- 将来の夢という言葉とは裏腹に、何故かほとんど例外なく「どんな職業に就きたいか」ということを子供たちは答えてしまう。
- こうなるのは大人が悪いと思う。子供が小さいときから、「大きくなったら何になるの?」なんて尋ねたりするのだ。
- そもそも、就職しなければならない、というのも幻想だ。人は働くために生まれてきたのではない。
- どちらかというと、働かない方が良い状態だ。働かない方が楽しいし、疲れないし、健康的だ。あらゆる面において、働かない方が人間的だといえる。
- ただ、一点だけ、お金が稼げないという問題があるだけである。
- 仕事を選ぶときに、どれくらいその仕事を続けるのか、というイメージを自分なりに持っているのが良いと思う。
- 「とりあえず二年間やってみよう」というのと、「できれば長くそこにいたい」というのでは、おのずと心構えも違うし、また我慢の限界もまったく異なってくる。
- 仕事におけるモチベーションは、第一に賃金を得ること、そして次には、仕事を覚えること(技術的な成長)だと思う。
- 目の前にあるもので、自分が稼げそうなことに手を出しただけである。
もっと読んでみたいなって思ったら、本を読んでみてください。
kindle版495円
新書版836円
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